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つわりが重いのは赤ちゃんとの相性?原因として分かっていることと受診目安

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つわりで一日中気持ちが悪いと、「赤ちゃんとの相性が悪いのかな」「私の体が赤ちゃんを拒否しているの?」という言葉まで気になりますよね。

けれど、性格やオーラなどの「赤ちゃんとの相性」が、つわりを重くするという医学的根拠は確認されていません。つわりにはホルモンや体質など複数の要因が関係すると考えられ、近年は胎盤・胎児由来のGDF15というホルモンと、母体側の感受性に関する研究も進んでいます。ただし、これは親子の性格の相性を示す話ではありません。

先に受診の目安を確認してください

水分をほとんど取れない、尿が極端に少ない、急に体重が減った、何度も吐く、ふらついて動けない、意識がぼんやりする、吐いた物に血が混じるときは、我慢せず産婦人科へ連絡してください。診療時間外の連絡先も、通院先の案内で確認しておきます。

「赤ちゃんとの相性が原因」は医学的な説明ではない

「母親と赤ちゃんの性格が違うとつわりが重い」「パパの遺伝子が強いと体が反応する」「血液型が違うと重くなる」。こうした話は、つらさの理由を探していると目に入りやすいものです。

体験談として「自分には当てはまった」と感じる人はいても、それだけで原因とはいえません。赤ちゃんがパパ似かママ似か、性別や血液型、将来の性格と、つわりの重さを結びつける根拠は確認されていません。

迷うママ

迷うママ

相性が悪いわけではないと分かるだけでも、少しほっとします。でも、どうして人によってこんなに違うのでしょう。

つわりの個人差は大きく、同じ人でも妊娠ごとに症状が違うことがあります。「気の持ちよう」でも、母親の努力不足でもありません。理由を一つに決めるより、今の水分量、体重、尿、生活への影響を医師や助産師へ具体的に伝えることが大切です。

つわりの原因として分かってきたこと

つわりの仕組みは、まだすべて解明されたわけではありません。妊娠に伴うホルモン変化、胃腸の動き、においへの感受性、体質などが関わると考えられています。

2023年にNatureで報告された研究では、胎盤・胎児由来のGDF15というホルモンの量と、妊娠前からの母体側のGDF15への慣れが、妊娠中の吐き気や妊娠悪阻の起こりやすさに関わる可能性が示されました。妊娠前のGDF15が低い人ほど、妊娠後の急な上昇に強く反応するという考えです。

ここで注意したいのは、「胎児由来」という言葉です。これは赤ちゃんの性格や母親との相性が悪いという意味ではありません。体内のホルモンと感受性についての研究であり、現時点で家庭で相性を調べたり、つわりの重さから赤ちゃんの特徴を予測したりはできません。

よく聞く説 受け止め方
赤ちゃんと性格・オーラが違う 医学的な原因としては確認されていない
赤ちゃんがパパ似だと重い 顔立ちとつわりの重さを結びつける根拠はない
母や姉が軽ければ自分も軽い 家族歴がリスクに関わる研究はあるが、個人の症状は予測できない
つわりは我慢するもの 水分や食事が取れず生活が難しい場合は治療が必要なことがある

つわりと妊娠悪阻はどこが違う?

妊娠初期の吐き気や嘔吐は多くの妊婦さんが経験します。一方、症状が重く、食事や水分が取れず、脱水や体重減少、代謝の異常などが起きて治療が必要な状態は「妊娠悪阻」と呼ばれます。

厚生労働省の母性健康管理サイトは、強い嘔吐、のどの渇きや皮膚の乾燥、便秘などの脱水症状、めまい、意識障害、肝機能障害などを挙げています。診断は体重減少だけで決めるものではなく、症状、診察、尿・血液検査などをもとに医療機関が判断します。

産婦人科へ連絡するときのメモ

  • いつから、1日に何回くらい吐いているか
  • 最後に水分を取れた時間と、おおよその量
  • 尿の回数・色、いつから少ないか
  • 妊娠前と現在の体重
  • めまい、頭痛、発熱、腹痛、出血などほかの症状
  • 服用している薬やサプリメント

「吐いてはいないから軽い」とは限りません。吐かなくても、強い吐き気で水分も食事も取れず、日常生活が送れない場合があります。体験者の症状もこのタイプでした。

寄稿体験:吐かないのに、寝たきりに近かったつわり

ここからは、以前この記事へ寄せられた一人の体験です。症状や食べられた物、治療は人によって違うため、そのまままねる方法ではなく「こういうつわりもある」という記録として紹介します。

妊娠5週ごろから二日酔いのような気持ち悪さ

体験者のつわりは、妊娠5週ごろの胃もたれのような感覚から始まりました。吐くことはほとんどないのに、きつい二日酔いが一日中続くような気持ち悪さだったそうです。

ごはんを食べられず、トイレへ行くのも一苦労。お風呂も数日に一度入れればよい状態で、仕事はできず、ほぼ横になって過ごしました。「妊娠した喜びより、今のつらさで泣いてしまう」と感じる日もあったといいます。

空腹でも気持ち悪いのに、食べられない

寝起きと空腹時に気持ち悪さが強くなる一方、食べようとしても入りませんでした。その時期に比較的口へ運べたのは、キウイやサンドイッチなど限られた物。夫に仕事帰りに買ってきてもらい、その日食べられそうな物を少量ずつ試していました。

実家が遠く、日中は一人になる時間が長かったことも心細さにつながりました。スマートフォンで「つわり いつ終わる」と何度も調べ、出産直前まで続いた人の体験を読んでは、かえって怖くなったそうです。

家族につわりがなくても、自分にはあった

母親と姉はつわりがほとんどなかったため、体験者も自分は軽いだろうと思っていました。実際には日常生活が難しいほどの症状があり、「家族が軽かったから自分も軽い」とは限らないと実感したといいます。

当時、家族が見つけた「赤ちゃんとのオーラの違いが原因」というスピリチュアルな説明に、一時は気が紛れました。ただ、これは医学的な原因ではありません。今の症状を赤ちゃんとの関係の良し悪しとして背負わなくて大丈夫です。

産院で相談し、点滴や処方を受けた

産院の検査で尿中ケトン体が出たときは、点滴を受けました。医師へ相談して漢方薬を処方されたこともありましたが、水分を取ること自体が難しく、飲めない日もあったそうです。

炭酸飲料なら口にしやすい日もありましたが、同じ物が全員に合うわけではありません。市販薬、漢方薬、ビタミン剤、サプリメントを自己判断で追加せず、妊娠中に使えるかを産婦人科や薬剤師へ確認してください。

先輩ママ

先輩ママ

食べられる物が日によって変わるのも珍しくありません。「昨日は飲めたから」と無理せず、今日の状態を産院へ伝えてください。

家でできるのは「治す」より負担を減らす工夫

症状が軽く、水分を取れている場合は、一度に食べようとせず、口にしやすい物を少量ずつ試します。温かい料理のにおいがつらければ冷ましてから食べる、枕元に飲み物やクラッカーなどを置く、家事を家族へ渡すといった工夫があります。

ただし、食事の工夫で妊娠悪阻を我慢し続けないでください。日本産科婦人科学会の診療ガイドラインでも、水分摂取ができない、体重が妊娠前より5%以上減る、尿中ケトン体の強陽性が続くなどの状態では輸液を検討するとされています。治療には点滴、ビタミン補給、制吐薬などがあり、医師が状態に合わせて判断します。

仕事や家事ができないときは相談してよい

つわりで通勤や仕事が難しい場合、医師の指導内容を職場へ伝えるために「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用できることがあります。休憩、勤務時間の短縮、休業などが必要か、通院先で相談してください。

家では「できる人が買う・洗う・捨てる」を優先し、栄養の整った食事や毎日の入浴を一人で守ろうとしなくて構いません。上の子がいる場合も、家族、自治体の支援、家事代行など、使える助けを早めに確認します。

相性を気にするより、今の症状を伝える

つわりが重いことは、赤ちゃんとの性格やオーラの相性が悪いサインではありません。GDF15など新しい研究は進んでいますが、本人の努力で症状を抑えられるという話でもありません。

水分、尿、体重、日常生活への影響をメモし、つらいときは産婦人科へ連絡してください。「この程度で電話してよいのかな」と迷う状態も、そのまま伝えて大丈夫です。つわりがなかった人の体験は「妊娠中につわりがなかった理由を考えた記録」にありますが、重さを比べて我慢する必要はありません。

参考:厚生労働省「妊娠悪阻」Nature Portfolio「妊婦がつわりを経験する原因を調べる」日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン-産科編」(2026年8月4日確認)


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